Daz StudioのAnimate2を使ったアニメーションの作成、その4です。
前回はカメラをアニブロックに配する方法を説明しましたが、複数のカメラをアニブロックに配していったらどうなるのでしょうか。もちろん複数のカメラをアニブロックのタイムラインに配置することは可能ですが、レンダリングする時はViewportで指定したカメラしかレンダリングされません。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/0.5-987x630.jpg)
よって、一度レンダリングを始めたらViewportのカメラを切り替えることは不可能だし、そもそもViewportのカメラは手動でしか切り替わらないので、いくらタイムラインに複数のカメラを配置したとしても最初にViewportに指定したカメラに映った動画しかレンダリングされないわけです。
これを解決するためには、Dazのアプリケーションの中で動くスクリプトを書いて、カメラをスイッチするしかありません。そんな技術は私にはありませんので、mcasualさんのDaz scriptを使ってそれを実現させる方法を今日は解説します。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/1-1-1190x630.jpg)
CamSeqは無料でDLできるDaz Studioの神scriptです。
以下のサイトからDL可能です。
HPの下の方からダウンロードすることができます。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/1_2-1148x630.jpg)
ダウンロードして解凍したら、あなたのDaz 3D Libraryの「Scripts」フォルダの中にコピーしましょう。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/2-1-1200x582.jpg)
インストール後の操作
インストールしたらどこからこのスクリプトを操作するのでしょうか。
「Content Library」を開き、「My Daz 3D Library」の「Scripts」から操作することができます。DS4の方を使います。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/5-1-420x630.jpg)
アニメーションの準備
今回は以下のようなアニメーションを組み立てました。
一つ一つ見ていきましょう。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/6-2-1200x248.jpg)
まずは背景にHDRI画像を配置しました。
Render Settingsペインで「Draw Dome」をOnにして、「Enviromented Mode」をDome Onlyにします。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/7-2-1200x462.jpg)
Cameraは、横からフィギュアを捉えています。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/8-2-1200x456.jpg)
このように横顔をアップで捉えています。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/9-2-1200x619.jpg)
Scieneタブで「Camera」を選択し、Animate2の操作画面で左上の「+」をクリックして、Cameraのタイムラインを作り、空のアニブロックを作成します。図のように編集モードにし、最初と最後のコマにキーフレームを設定します。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/10-1.jpg)
次はCamera2です。
Camera2は背後からフィギュアを捉えます。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/12-1200x567.jpg)
Viewportでcamera2を見ると図のようになります。
Cameraと同様、Camera2もタイムラインを作成し、そこに空のアニブロックを作り、図のアングルで最初と最後のコマにキーフレームを設定します。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/13-1200x605.jpg)
Camera3です。
Camera3は正面からフィギュアを捉えます。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/17-1-1200x559.jpg)
Viewportでcamera3を見ると図のようになります。
Camera、Camera2と同様、Camera3もタイムラインを作成し、そこに空のアニブロックを作り、図のアングルで最初と最後のコマにキーフレームを設定します。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/14-1200x611.jpg)
こうして、図のようなaniMate2のタイムラインが完成します。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/6-3-1200x248.jpg)
Camseqの設定
まず、複数のカメラを切り替えるためのバーチャルカメラを作成します。
このカメラの名前は必ず以下でなければなりません。
Camera Main
大文字小文字、半角空けまで正確にタイプして作成してください。
このカメラは、バーチャルなカメラなので、3D空間上のどこに配置されていてもかまいません。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/16-1.jpg)
最初に説明した場所からCamSeqのアイコンを開き、クリックして設定のウインドウを開きます。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/5-2-420x630.jpg)
図のようなウインドウが開きます。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/18-535x630.jpg)
図のように、配置したカメラを選ぶことができるので、Camera、Camera2、Camera3それぞれ、何コマ目から何コマ目までそのカメラをバーチャルカメラに表示させるかを設定していきます。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/19-537x630.jpg)
Insertボタンをクリックすることにより、上部のリストに設定値が表示されます。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/20-538x630.jpg)
図のようにすべてのカメラの設定をしました。
最後に「Do it」ボタンをクリックすると、バーチャルカメラ「Camera Main」にスクリプトが設定されます。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/21-535x630.jpg)
Viewportのカメラをバーチャルカメラの「Camera Main」にしてください。
![](https://beautiful3d.net/wp-content/uploads/2022/03/22-1200x609.jpg)
aniMate2で再生すると動画のようにカメラが切り替わっていることがわかります。
最終的にアニメーションをレンダリングして動画を完成させます。
管理人のコメント
この方法で、あたかも映画のようなレンダリングが出来るようになります。
私はどうしてもViewportでカメラを切り替えたくて、Dazのユーザフォーラム(英語のやり取り)でCamSeqを使うことにより今回紹介したやり方でカメラを切り替えることができることを知りました。
最初は思わず声をあげるほど感動してしまいました。
3DアニメーションはUnityで作成するのがもっともよいと一般的には言われています。
しかし今回のやり方を使えば、Unityアニメーションの強力なカメラ機能、Cinemachineと同じようなことができます。もちろんCinemachineの方が高機能で簡単にさまざまなカメラワークを作成することができるのですが、レンダリングの美しさはDaz StudioのIrayには及ばないと思います。
しかし一つだけ難問が残ります。
それはレンダリング時間です。
次回は、Dazのアニメーションでレンダリング時間を短くする方法を説明します。