リアルな画像を作るために何が必要なのか
これまでの章で、人物を読み込み、ヘアを設定し、ポーズや表情をつけて、服を着せました。さて、あなたの作った人物をさっそくリアルな画像にしたいところですが、リアルな画像にするためには何が必要なのでしょうか。
- 背景画像があると、ぐっと現実感が増します。
- 人物が背景画像と同じ光の影響を受けていると、背景と人物がマッチして見えます。
- 人物にピントが合い、背景が多少ボケていると、リアリティが増します。
Daz Studioでは、背景画像にHDRIを選ぶことができます。上記1と2を満たすためには、HDRI画像を背景に読み込みます。3については、応用編で説明をします。
HDRI画像とは、ハイダイナミックレンジイメージ(High Dynamic Range Image)の略で、高い輝度幅を持つ画像のことである。(Wikipediaより)
要するに、画像の情報量がとても多いので、コンピュータグラフィックスで現実の世界のような明るさを表現することができる画像のこと。
HDRI画像を背景にすると、そこに配した人物は背景画像から照明を浴びたような形になり、Daz Studioに人物を配すると自動的に置かれる作業灯の照明ではなく、自然な色合いの光を得ることができるようになります。
HDRI画像の入手
2021年1月現在、Daz Studioをインストールすると、「DAZ Studio Iray HDR Outdoor Environments」いうHDRI画像が無料で附属しているようです。
よってここではこのHDRI画像を例にとって解説をしていきます。HDRI画像は扱いが難しいため、初心者はDazマーケットで売っているHDRI画像を1つでもよいから購入して使うことをお勧めします。
HDRI画像はこのブログでも定期的に投稿で紹介しています。
カテゴリーから、背景(HDRI)を開いて見てください。
HDRI画像を読み込み背景に設定する
「Render setting」ペインを選択。左上の「Presets」を選択。その下の「Scene Builder」を選択すると、「DAZ Studio Iray HDR Outdoor Environments」が現れる。
一番簡単な設定でレンダリングする
「DTHR-MauiA-Background」を右クリックして、「Marge into Scene」を選択。
「Render Setting」ペインのまま、上部を「Editor」に変更。メニューの「Environment」を選択。
「Environment Mode」をDome Onlyで選択。
Domeって何?
HDRI画像は、ドームの内側に360度画像が張り付いていると考えるとわかりやすい。そのドームがすっぽりと人物を覆っている感じになっている。ドームオンリーは、その内側に張り付いている画像から光の要素を取り出して、人物に光(照明)を当てますよという意味。
ドームとシーンにすると、埋め込んだ照明の光もドームの光に加味しますよという意味になる。
「Draw Dome」をOnにする。
パースペクティブビューのレンダリング表示がIrayになっている場合、そのビューにHDRI画像が表示される。ただし、ビデオカードの性能に左右されるので、よいビデオカードを積んでいるほど、すぐに背景のHDRIが表示される。右側のビューは、「Texture Shaded」になっているので、背景画像は表示されない。
ここからはレンダリング設定に移る。左上の「Editor」はそのままに、こんどはメニューを「General」に選択。図のように、「Custom」で、画像の比率を決めて、ピクセルサイズを入力する。
まず比率を決めるとよい。
一般的には「16:9」
2K 1,920×1,080
4K 3,840×2,160
ブログ用には「1.91:1」1200×630
「Progressive Rending」メニューを選択し、図のように、「Max samples」の値を、1000~5000ぐらいの値にする。「Max Times」は800~1000ぐらいに設定。(ここでは早さ優先の値を示した)
「Max samples」は、どのくらいレンダリングを細かくかけるかの設定。
「Max Times」は、その秒数が経ったらレンダリングを終了しますという意味。1000(秒)にすると約16分経つとレンダリングは終了する。
「Filtering」メニューを選択し、「Post denoiser Available」「Post denoiser Enable」をオンにする。
この設定をオンにすると、レンダリングにぼつぼつ(ノイズ)が入ることを防ぐ。
レンダリングをかける前に、どのビューの構図をレンダリングするのか、確認。ここでは左側のビューが選択されており(オレンジ色の枠で囲まれている)、そこにレンダリングをかける。
左上にある「Render」と書かれたカメラのアイコンがついている青いボタンを押すとレンダリングが始まる。
レンダリングが始まると、ビューが現れ、右側にレンダリングの進行を表すバーが現れる。
レンダリング画像を保存する
レンダリングが終了すると、ファイル名を付けることができる。
ファイル名をつけてSaveボタンを押す。
上部中央の「Render Library」を選ぶと、レンダリングが終了して保存した画像が一覧表示できる。ダブルクリックすると、画像ソフトで開かれる。