Dazフィギュアを利用した、Unityベースのアプリケーション「Vart A Mate」の利用方法を解説するコーナー。今回はDaz Studio用に作られたGenesis2のClothe(服)をVaMに登録して使う方法を解説したいと思います。
Genesis2の服というと随分昔のもののような印象ですが、Daz Shopを見るとそれなりのお値段で販売されていてちょっとびっくりします。
しかし、今回はPoser and Daz Free Resourcesというサイトから無料のG2衣装をお借りして、それをVaMに持ってくる方法を解説します。
G2用のお洋服が無料で公開されているサイトへのリンクが掲載されています。掲載先は登録をするとDLすることができるサイトが多いです。
今回の作業のポイントは2点です。
*DLした衣装をDazで開き、シーンファイルとして保存します。
*VaMのインポート設定で、Daz Studioのファイルを格納しているフォルダを指定しておきます。
*VaMのClothing設定で、Clothing Creatorを使ってDazのシーンファイルから衣装をインポートします。
フリーの衣装をDLする
今回はWlimap様のLong Line Dardiganを使わせていただきます。レンダリングはOKということなので、利用させていただきました。
Wilmap様のサイトに登録をするとDLすることができるようになります。
手動でDazのファイルを格納するフォルダに、DLしたファイルをコピーしていきます。
左側がDLしたファイル、右がDazのファイルを格納しているフォルダです。私の場合は「My Daz 3D Library」というフォルダに格納しています。
色分けしてみましたが、同じフォルダ名の中に今回DLしたファイルをコピーしていきます。
Daz StudioでDLしたClotheを開く
今回はお洋服を手動でインストールしたので、Content LibraryペインからClotheをViewportで開いてください。G2のClothesの中にファイルがあるはずです。
マテリアルからサーフェイスのカラーをClotheに当てます。
衣装だけを保存するのでG2は削除します。
衣装だけになりました。
衣装だけと言っても、ボーンが組み込まれているので、VaMに持っていってもフィギュアのPoseに合わせて形が変化します。
普通にシーンファイルとして保存します。
VaMのインポート設定をあらかじめしておく
VaMのUser Preferenceタブを開き、さらにMiscタブを開きます。
下のほうにDaz Import設定があります。Default Contentディレクトリからブラウズして、自分がDazのコンテンツを保存しているフォルダを指定します。
青線部のように指定したフォルダが表示されます。
この設定をするとその中にあるファイルをVaMは持ってきます。
この後、シーンファイルを持ってくるわけですが、シーンファイルをDazのコンテンツを保存しているフォルダの中に保存しておかないと、シーンファイルを開く際に参照が難しくなります。また、指定したフォルダの中にUVマップがないと、VaMがUVマップを持ってこられなくなります。その結果衣装は真っ白けになります。
UVマップとは…衣装のマテリアル(色や質感)を規定しているファイルです。長方形のマス目の中に衣装のパーツが整列しているものです。
今回使うカーディガンのUVマップです。
VaMでG2衣装を保存する
ではVaMにG2衣装を持っていきます。
Clothingメニューを開き、Clothing Creatorにチェックを付けて、Customizeの文字列の上をクリックしてCreatorを開きます。
(フィギュアを配置し、あらかじめ下着を着せておきました。)
Select Dufファイルから、シーンファイルを開きます。
DufとはDazのシーンファイルの拡張子名です。
Selectファイルダイアログが開くので、自分がDazファイルを格納しているフォルダ(わたしの場合は「My Daz 3D Library」)の中にある、シーンファイルを保存しているフォルダを開きます。
Dufファイルをクリックします。
Importボタンを押すと、すぐにインポートが始まります。
この時、ダイアログボックスの下の方に、頂点数と現在処理している頂点数の数が表示されます。
頂点数とは、衣装のポリゴンを構成する多角形の点の数です。
VaMは頂点数が多すぎると、インポートができません。古いUnityをベースにしているためです。
30000ぐらいの頂点数をマックスとするとよいでしょう。あまり多くなりすぎるとインポートできないだけではく、インポートできても動作が重くなります。
今回は4126の頂点を処理して、インポートが終了しました。
カーディガンがインポートされ、フィギュアに着せられました。
衣装に物理設定がなされていないので、下着が貫通してしまっています。
とりあえず衣装を保存します。
「Display Name」に衣装名を適当に付けて、「Create New Name」ボタンを押して衣装ファイルを保存します。このボタンの右横にあるスクリーンショットを撮るボタンを押してスクリーンショットも保存しておきます。
スクリーンショットを保存する際は、四角形の中に人物Atomが入るようにして、衣装がよくわかるようにし、四角形の中をクリックすると保存が行われます。
先ほどの保存ボタンが上書き保存ボタンに変わるので、サムネイル付きとして上書き保存しておきます。
Sim設定する
服が重力の影響を受けてひらひらするようにSim設定をします。
まずCombinedタブを開き、「Texture」をクリックします。「Texture」タブの中の「Create Sim Template Texture」をクリックし、Simを設定するためのUVマップを作製します。
Open Folderボタンをクリックして、UVマップが保存されているフォルダを開きます。
Sim設定用のUVマップ(ファイル名にSim Templateと書かれているもの)が図のように出来上がっているので、これを右クリックして「プログラムから開く」を選択し、Windowsアクセサリの「ペイント」から画像ファイルを開きます。
ペイントの使い方までは解説を省きますが、塗りつぶしの機能を使って赤い色でひらひらしない部分を塗りつぶします。図の場合、腕の部分を塗りつぶしています。
(腕の部分はひらひらしないですよね)
赤く塗りつぶした部分は重力の影響を受けないので固まったように動きません。
それ以外の青い部分は動きにつれてひらひらと動きます。
再び「Creator」タブを開き、「Select Sim texture」で赤く塗りつぶしたUVマップを選択します。
選択するためのダイアログボックスが開くので、「Clothe」「Female」「(あなたのユーザ名)」とフォルダをたどり、UVマップのあるフォルダを開きます。そして、赤く塗りつぶしたSim用のUVマップを開きます。
「Create Nearby Joints」にチェック、「Generate Sim Date」ボタンをクリックすると、Simの設定を衣装にするための動作が始まります。
終了したら、「sim Enabled」にチェックを入れ、Simを有効化します。
再び赤いボタンで上書き保存をします。
Clothingタブの中にRed Cardiganという名前で服が追加されました。
今後、VaMでこのお洋服を使うことができます。
ただし、Clotheの制作者様の規定に従って使ってください。今回の場合は、データ配布は禁じられているので、シーンファイルを他者にDLできるようにするなどのことは出来ません。
あくまでレンダリングして自身が楽しむだけに利用することができます。
管理人のコメント
今回はDaz studioとVaMを連携させ、DazのG2衣装用データをVaMで使う方法について解説しました。
このやり方を覚えておけば、自分で衣装をモデリングした場合でも、VaMに衣装を持ってくることができるようになります。
自分で衣装をモデリングする場合に、Marvelous Designerというアプリを使うのが一般的です。
いつかこのMarvelous Designerの使い方を説明したいと思います。
日本人の服のセンスはかわいいを基本にしている場合が多いと思います。
なので、Daz ShopやVaM Hubを探していても、なかなか日本人の感性に合う服が見つからないものです。Marvelous Designerで衣装を作成することができれば、表現の幅が広がります。